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舞鶴引揚記念館|戦後の記憶伝承と平和を想う。ユネスコ世界記憶遺産に学ぶ引き揚げの歴史

2025 12/16
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舞鶴引揚記念館

「舞鶴の歴史を知りたい」「平和学習を目的とした旅におすすめの場所が知りたい」「引き揚げやシベリア抑留について学びたい」

そんな人は、ぜひ舞鶴引揚記念館を訪れてみてください。

舞鶴市は、戦後13年間海外に在留していた日本人を受け入れる引揚港として多くの引揚者を迎え入れた歴史があります。

舞鶴引揚記念館は、そんな当時の記憶と想いを知ることができる施設です。

舞鶴引揚記念館を訪れれば、過去の出来事を「知る」だけでなく「平和について考える」時間にもなるでしょう。

この記事では、そんな舞鶴引揚記念館について詳しくご紹介します。

この記事の目次

舞鶴引揚記念館とは?

舞鶴引揚記念館の外観

舞鶴引揚記念館とは、「引き揚げ」や「シベリア抑留」に関する資料を保存・展示している資料館です。

また、語り部の育成や海外交流など、様々な活動を通じて「平和の尊さ」を次世代に伝える活動をしています。

舞鶴引揚記念館は、シベリア抑留や引揚体験者をはじめ、全国からの寄付と舞鶴市民の協力により昭和63年4月に開館。

開館以降全国から、引き揚げやシベリア抑留などに関する資料は1万6千点以上寄贈されており、そのうち、570点が平成27年10月10日にユネスコ世界記憶遺産に登録されています。

また、開館から30年となる平成30年に、幅広い世代が体感を通して理解や共感を深められる空間として「抑留生活体験室」や「企画絵画展示室」が増設され、グランドオープンしました。

舞鶴引揚記念館を訪れる前に知っておきたい歴史

1.引き揚げについて

舞鶴引揚記念館にある舞鶴港のジオラマ

引き揚げとは、第二次世界大戦の終結後、海外に残された日本人を日本本土へ帰国させた事業のことです。

当時、戦争の影響で多くの日本の軍人や民間人が戦地や旧日本領土に取り残されていました。

その数は約660万人。これは当時の日本人人口の約9%にも上ります。

そんな、海外に残された日本人の速やかな帰国を実現するために、日本政府が18の都市に「引揚港」を設置しました。

その一つとして舞鶴市が「引揚港」に指定されたのです。

引揚港としての舞鶴
画像提供:舞鶴引揚記念館

舞鶴港は、昭和20年10月7日の初の引揚船入港〜昭和33年9月7日の最終船入港の13年間にわたり、346隻の引揚船と約66万人の引揚者、1万6000柱以上の遺骨を受け入れました。

引き揚げが進み日本各地の引揚港が閉鎖される中、舞鶴港は昭和25年以降、約8年間にわたり国内唯一の引揚港として最後まで引揚者を受け入れ続けたのです。

画像提供:舞鶴引揚記念館

そして舞鶴の人たちは、戦後の日本での新たなスタートを切る引揚者のために心を込めて支援しました。

当時のまちの人たちは、自分たちの生活も豊かではない中、自宅からお茶やふかし芋などを持ち寄って振る舞っていました。

引き揚げに関する詳しい情報は舞鶴引揚記念館のHPをご覧ください。
〉〉舞鶴引揚記念館「”ひきあげ”ってなに?」
*舞鶴引揚記念館のHPに移動します。

2.シベリア抑留について

ラーゲリーのジオラマ

引き揚げの歴史を語る上で、決して忘れてはならないのが「シベリア抑留」です。

シベリア抑留とは、戦争で人的・物的被害を受けたソ連復興の人員を補うために、敗戦国の人々が捕虜として連行された出来事のことです。

捕らえられた人のうち日本人の数は約60万人にもおよびます。

ラーゲリー内の様子の再現

彼らは、マイナス30度を下回る極寒の地で鉄道や建物などを建設するために強制労働をさせられ、「ラーゲリー(収容所)」で、飢えと過酷な環境のなか日本に帰れる日を待ち続けたのです。

しかし、引き揚げで特に難航したのがシベリア抑留者でした。

岸壁で帰りを待つ女性(岸壁の妻と子)
画像提供:舞鶴引揚記念館

ソ連軍の管理区域からの引き揚げが開始されたのは、引揚事業開始から1年3ヶ月後です。さらに、昭和25年5月〜昭和28年3月までの約3年間、引き揚げが中断されることも。

そして、引き揚げが再開された昭和28年3月〜昭和33年9月の最後の引揚船入港まで、シベリア抑留者の引き揚げは続きました。

シベリア抑留に関するより詳しい情報は舞鶴引揚記念館のHPをご覧ください。
〉〉舞鶴引揚記念館『シベリア抑留』
*舞鶴引揚記念館のHPに移動します。

シベリア抑留を描いた映画作品

2022年にシベリア抑留の歴史を描いた映画作品「ラーゲリより愛を込めて」が公開されました。

舞鶴引揚記念館を訪れる前にこの作品を見ておくと、より学びになるでしょう。

「ラーゲリより愛を込めて」

出典:YouTube 東宝MOVIEチャンネル 映画『ラーゲリより愛を込めて』予告【12月9日(金)公開】より

舞鶴引揚記念館の館内について

舞鶴引揚記念館の見取図
画像提供:舞鶴引揚記念館

舞鶴引揚記念館の常設展示には、常に1,000点以上の資料が展示されています。

ここでは、そんな舞鶴引揚記念館の展示エリアやその内容についてご紹介します。

エントランスホール

ラーゲリー分布図

捕虜として日本人が収容されていた場所を示す、シベリアや中央アジアにあった収容所の分布図があります。シベリア抑留の規模の大きさを感じることでしょう。

タイムトンネル

タイムトンネル

当時撮影された貴重な写真から始まる、常設展示室の出入り口です。入り口には、武装解除を命じられた日本人の列と足元に積み上げられた武器の数々。出口には、日本への生還を喜ぶ人々の姿があります。

苦境の記憶
〜世界恐慌からシベリア抑留まで〜

館内の様子

戦争の始まりからシベリア抑留までの一連の歴史を学ぶことができます。引き揚げの歴史に触れる前に、「どうして戦争が始まってしまったのか」「戦時中、日本はどんな状況だったのか」「なぜ、シベリア抑留が起きたのか」を振り返ることができます。

抑留生活体験室

抑留生活体験室の外観
抑留生活体験室の中の様子
画像提供:舞鶴引揚記念館

シベリアの強制収容所での暮らしが体験できるコーナーです。シベリア抑留の体験者の回想記録画などをもとに空間が再現されました。抑留者の持ち物や−30度を下回る寒さの中、着用していた防寒着に触れることもできます。

帰還そして再会

館内展示の様子

引揚船が舞鶴港に入港し、人々が再会を果たす感動の瞬間を感じられる展示コーナーです。港を模したジオラマや引揚船の模型、歌や踊りで迎える舞鶴の人々の姿など、当時の温かな「おもてなし」の様子が見られます。

平和への祈り

舞鶴引揚記念館による国際交流の品々

引き揚げの歴史を通じて平和な未来へつなぐ、舞鶴引揚記念館の活動が紹介されています。抑留・引き揚げが縁となり、つながった国際交流の様子を知ることもできます。国境を越えて築かれた絆と平和への想いが感じられます。

企画絵画展示室

画像提供:舞鶴引揚記念館

常設展示室では見られない貴重な資料が展示されるエリアです。当時の様子を描いた絵画の展示のほか、期間ごとに企画展が開催されます。現在の企画展示の情報は舞鶴引揚記念館のホームページをご覧ください。

https://m-hikiage-museum.jp/
*舞鶴引揚記念館のHPに移動します。

桟橋カフェ

桟橋カフェの様子

舞鶴引揚記念館の入り口横にある「桟橋カフェ」。ランチや館内見学後の休憩に便利なお店です。

〉〉桟橋カフェのInstagram

舞鶴引揚記念館の学びが深まるポイント

ユネスコ記憶遺産登録された資料

画像提供:舞鶴引揚記念館
俘虜用郵便葉書
画像提供:舞鶴引揚記念館
手作りのメモ帳
画像提供:舞鶴引揚記念館

舞鶴引揚記念館には、570点のユネスコ世界記憶遺産に登録された資料が収蔵されており、白樺日誌や手作りのメモ帳、俘虜用郵便葉書などが展示されています。

紙もペンもない状況の中で、それでも思いを形にしようと手作りの道具で必死に書き残した言葉。

無事に届くのかも分からないが、家族を想って綴られた手紙。

その一文字一文字からは、彼らがその瞬間に抱えていた想いが伝わってくるでしょう。

シベリア抑留中に使っていた衣服や手作りの道具

手作りの食器
画像提供:舞鶴引揚記念館
手作りのスプーン
画像提供:舞鶴引揚記念館
防寒具(帽子・手袋)
画像提供:舞鶴引揚記念館
防寒具(コート・ズボン)
画像提供:舞鶴引揚記念館

シベリア抑留中は、物資が少ないため食器などを手作りしていました。また、支給された防寒着は極寒の地では心許ないものであったことがわかります。

これら一つひとつからは、シベリアで生きた人々の様子を思い描くことができるでしょう。

語り部が伝える引き揚げ・シベリア抑留体験者の話

画像提供:舞鶴引揚記念館

舞鶴引揚記念館には、語り部が常駐しています。

そのため、語り部の解説を通して単なる史実だけではなく「人の記憶」を直接感じることができます。

「この笛を寄贈してくれた方は〜」
「このリュックを背負っていたのは当時小学3年生の子供で〜」など

引き揚げやシベリア抑留を体験した人や、その家族から聞いた話をもとに、展示品の背景を丁寧に伝えてくれるのです。

気になる展示品や疑問に思ったことがあれば、ぜひ語り部に尋ねてみてください。

土日祝日限定|語り部による館内ガイドツアー

画像提供:舞鶴引揚記念館

舞鶴引揚記念館では土日祝限定で、語り部による館内ガイドツアーが実施されます。

この館内ガイドツアーでは、シベリア抑留や引き揚げの解説を聞きながら館内を巡ることができます。

参加費は無料なので、ぜひ館内ガイドツアーに参加してみてください。

語り部による館内ガイドツアーの概要
実施日:土曜・日曜・祝日
所要時間:30分~40分
開始時間:①11時~ ②13時30分~
*定員は各時間帯ごと10人まで
*開始時間の15分前までにエントランスで参加受付

舞鶴引揚記念館の周辺について

舞鶴引揚記念館の周辺にも、引き揚げの記憶を伝えるものがたくさんあります。

舞鶴引揚記念館を訪れた際は、建物周辺を散策するのもおすすめです。

1.舞鶴引揚記念公園

像やモニュメント

舞鶴引揚記念公園内のモニュメント1
画像提供:舞鶴引揚記念館
舞鶴引揚記念公園内のモニュメント2
画像提供:舞鶴引揚記念館

引揚記念公園には、戦争の悲惨さを風化させない想いや、平和への誓いを込めて建てられた像やモニュメントがあります。引き揚げの歴史をより立体的に知るためにも、ぜひ引揚記念公園内も散策してみてください。

100本以上の八重桜

春の様子
八重桜の秋の様子
秋の様子

引揚記念公園内には、引き揚げ体験者の方々が植樹した100本以上の八重桜があります。八重桜の幾重にも重なる花びらと長く咲いている姿からは生命力が感じられます。一本一本に込められた、戦争や引き揚げに関わったすべての人たちの想いを感じてみてください。

(桜は4月の中旬〜下旬、紅葉は11月中旬〜下旬が見頃)

展望台

展望台

引揚記念公園の展望台からは、復元引揚桟橋や、かつて引揚援護局が置かれていた場所が見えます。展望台からの風景に身を置きながら、引き揚げの地・舞鶴が辿ってきた記憶とそれぞれの人々の想いに心を寄せてみてください。

2.復元された平引揚桟橋

平引揚桟橋(復元)

平引揚桟橋は、引揚者が帰国後初めて日本の地を踏み締めた場所です。

そこには、帰りを待つ家族や引揚者を温かく迎え入れる舞鶴の人々の姿がありました。

平引揚桟橋は一度無くなってしまいましたが、1994年に「引揚を記念する舞鶴・全国友の会」によって当時の姿が復元されました。

写真の右手には平和を祈る鐘、左手には帰国を果たせず異国の地で亡くなった人々の鎮魂碑があります。

舞鶴引揚記念館を訪れた際は、平引揚桟橋も訪れてみてはいかがでしょうか。

舞鶴引揚記念館から平引揚桟橋へのアクセス

舞鶴引揚記念館から平引揚桟橋までは車で約3分の場所にあります。

舞鶴引揚記念館の活動紹介

語り部の養成と次世代への継承

舞鶴引揚記念館では、毎年「語り部養成講座」を実施しています。戦争経験者の高齢化によって語り継ぐ存在が危ぶまれており、「『次世代への継承』から『次世代による継承』」へと移行することが重要となっています。そこで、舞鶴引揚記念館が中心となって平和の大切さを語り継ぐ「語り部」を育成。2025年現在、80名以上の語り部が在籍しています。

学生語り部も活躍

舞鶴引揚記念館が地元の学校に平和学習を実施する中、子どもたちが自主的に語り部養成講座に参加するようになりました。そして、学生語り部が誕生。その数は約40名以上になります。(2025年現在)夏休みや休日などの館内案内やイベントなどでも学生たちが活躍。また、市内外から訪れる学生との同世代交流として、次世代による継承に取り組んでいます。

海外との交流

旧ソ連時代、シベリア抑留地であった都市との交流も行なっています。ウズベキスタンでは、当時抑留中の日本人が建設した「ナヴォイ劇場」なども視察。ウズベキスタンとの交流の様子は以下の資料をご覧ください。

(第1章)日本人抑留者が残した名誉~ナヴォイ劇場と日本人抑留者資料館~

よくある質問

交通手段について教えてください。

詳しい交通手段は、以下の舞鶴引揚記念館HPのアクセスのページで確認できます。

>>舞鶴引揚記念館HPのアクセス

開館時間は何時から何時までですか?

午前9時から午後5時までです。(最終入館は午後4時30分)

休館日はいつですか?

毎週水曜日(祝日の場合は翌平日)と年末年始(12月29日~1月1日)が休館日です。

入館料はいくらですか?

一般400円、学生(小学生〜大学生)150円です。

引揚記念館と赤れんが博物館がセットになった券(共通券)の場合は600円です。赤れんが博物館の訪問も予定している場合は共通券がお得になります。

駐車場はありますか?

無料駐車場があります。

自家用車は91台、大型バスは13台駐車可能です。

館内で写真撮影はできますか?

一部の展示は撮影不可ですが、そのほかのエリアは撮影可能です。(フラッシュ撮影は禁止)

車椅子やバリアフリー対応はされていますか?

館内は車椅子でも安心して見学できます。

予約はいりますか?

予約は必要ありません。

ただし、団体の場合は事前にご連絡しておくとスムーズです。

ペットも入館できますか?

ペット同伴の入館はできません。ペットを抱いての入館、キャリーケース(バギー等を含む)での入館も不可。

*盲導犬、聴導犬、介助犬を除く。

舞鶴引揚記念館の基本情報

観光 大浦エリア
大浦エリア 引揚 歴史 資料館

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